要点まとめ
- TikTok認証バッジは一般アカウントでもアプリ内から申請できます。付与されるのを待つ必要はありません。
- 審査基準は非公開ではありません。ヘルプセンターに4項目が明記されています。
- フォロワー数と「いいね」の数は審査対象外だと公式に書かれています。
- つまずくのは「著名性」の項目です。有料のPR記事、SNS投稿、古い記事はいずれも対象外とされています。
- 申請は無料です。バッジを販売すると主張する相手はTikTokと無関係だと公式が明言しています。
TikTok認証バッジについて日本語で検索すると、上位の記事がほぼ同じことを書いています。審査基準は公開されていない、一般ユーザーからの申請は基本できずTikTok側から付与される、という二点です。公式ヘルプセンターを開いて読んでみたところ、どちらも書かれている内容と食い違っていました。
基準は公開されています。申請窓口もあります。
公式の記載です。「認証バッジを付与する際、アカウントのフォロワー数やいいね数は考慮しません」。出典は認証済みアカウントに関するヘルプページです。
フォロワーを増やしてから申請するという順番は、この工程では意味を持ちません。見られているのは別のところです。
TikTok認証バッジの条件は4項目
公式は4つの区分を挙げています。最初の3つは手が届きますが、4つ目が関門です。
1. 識別できること
名前、プロフィール画像、自己紹介文、そして公開投稿が最低1件必要です。中身のないアカウントでは通りません。
2. 継続して利用していること
過去6か月以内にログインしている必要があります。ここは「ログイン」であって「毎日投稿」ではありません。週3本の投稿が必須といった記述は、公式ページのどこにもありませんでした。
3. 本人・本物であること
実在する個人、企業、団体を代表しているアカウントであることが求められます。個人の場合は本人確認、企業の場合は認証済みビジネスアカウントまたは組織アカウント、団体の場合は公式な所属を示す証明が必要です。
4. 著名性があること
複数の報道機関に取り上げられている必要があります。そして対象外となるものが3つ明記されています。スポンサー付きまたは有料のメディア露出、SNSへの投稿、古い記事や無関係な記事です。
ここは丁寧に読む価値があります。費用を払って掲載したPR記事は対象外。自社アカウントの投稿も対象外。数年前の記事で現在の活動と関係がないものも対象外。残るのは、報道する価値があると判断されて書かれた記事だけです。
申請が通らない理由
ほとんどが4項目めです。前の3つは真面目に運用していれば数か月で満たせますが、著名性はお金でも数字でも作れません。
- 報道が一件もない状態で、フォロワー数だけを根拠に申請している。その数字は審査対象ではありません。
- 有料のタイアップ記事を根拠として添付している。公式が対象外と書いている種類そのものです。
- 自社サイトや自社SNSの投稿をリンクしている。SNS投稿は対象外です。
- 数年前の記事を添付しているが、現在のアカウントの活動と結びついていない。
- アカウント名と本人確認書類の名義が異なり、その関係を説明できていない。
もう一つの層があります。認証バッジを狙っているものの、本当に必要なのは別の条件だという場合です。ライブ配信の開始条件は1,000フォロワーであってバッジではありません。この点はTikTokライブ開設に必要な1,000フォロワーで扱っています。
申請手順と回答までの日数
- 1TikTokアプリで画面下のプロフィールをタップ
- 2上部のメニューから設定とプライバシーを開く
- 3アカウントをタップ
- 4認証をタップ
- 5開始をタップして手順に従う
この手続きはアプリ内に移されているため、ウェブ上のフォームを探す必要はありません。結果はTikTokの通知で30日以内に届きます。否認された場合は理由を確認でき、指定された待機期間の経過後に再申請できます。
申請は無料です。公式には「認証に料金は発生しません。TikTokの認証バッジを販売すると主張する者は、当社とは一切関係ありません」と記載があります。またTikTokの側からメールやDMで申請を促すことはありません(政府・政治家・政党アカウントを除く)。
バッジ代行サービスについて
SNS運用の界隈に、認証バッジの取得代行を持ちかける相手がいます。文面には決まった形があります。
TikTok認証バッジ、1アカウント確実に取得します。フォロワー数は不問です。
身分証の画像とアカウントのパスワードをお送りください。翌日には結果が出ます。
50アカウント分の作業が終わったので、いま枠が空いています。
[承認通知のスクリーンショットと、バッジ付きアカウントの画面を添付]
この種の手口の中身は一つに集約されます。ウィキペディアに項目がある人物と氏名・生年月日が一致するよう身分証の画像を加工し、その人物に関する報道を添えて提出するというものです。アプリの裏技ではなく、公文書偽造にあたる行為です。
依頼した側が失うものを、重い順に挙げます。
- 法的責任。 日本では公文書偽造罪および偽造公文書行使罪の対象となり、偽造した者だけでなく、それを行使した者も処罰されます。身分証を渡した人物が、偽造書類の名義人そのものになります。
- アカウント。 TikTokは、なりすましなど不正な手段で基準を満たした場合、認証を拒否または取り消す権利を留保しています。バッジは予告なくいつでも外されます。実在の人物を騙るアカウントは、コミュニティガイドライン違反による永久停止の対象にもなります。
- アカウントと身分証。 パスワードと身分証の画像を見知らぬ相手に渡すことになります。集客に使っているアカウントを失えば売上も止まりますし、その身分証は別の用途にも使えてしまいます。
先方が実績として見せる、フォロワー1万人台でバッジ付きのアカウント画面についても触れておきます。あれは1万人が基準だという証拠にはなりません。フォロワー数が審査対象ではないという公式の説明を、そのまま裏づけているだけです。
付与後に剥奪される4つのケース
取得しても失うことがあります。公式は4つ挙げています。
- ユーザー名の変更申請を出さずに、自分でユーザー名を変更した場合。軽い気持ちで変えてしまう人が多く、これが一番多い落とし穴です。
- アカウントを譲渡し、認証内容が本人と一致しなくなった場合。
- 認証済みビジネスアカウントまたは組織アカウントの状態でなくなった場合。
- コミュニティガイドラインや利用規約に繰り返し違反した場合、または重大な違反があった場合。
公式にはもう一文添えられています。認証バッジは予告なくいつでも削除される場合がある、というものです。
現実的に取り組むこと
個人事業主や一般の発信者であれば、認証バッジは率直に言って射程の外にあります。著名性の項目が、すでに報道されている人を想定して設計されているためです。それで困ることはあまりありません。購入する側は、投稿の中身やレビュー、問い合わせへの返信を見て判断しています。バッジで絞り込む人は多くありません。
手が届く目標のほうが実務的です。ライブ配信を開くための1,000フォロワー、アカウントが閑散として見えない程度の投稿、実際のレビューが集まるだけの受注。
自社サービスについても明確にしておきます。TikTokフォロワー増加は認証バッジの取得には寄与しません。TikTokがフォロワー数を審査に用いないためです。用途は、開設直後のアカウントが寂しく見えるのを避けることと、機能解放の条件に届かせることです。数値の購入はプラットフォームの規約外であり、リスクを完全に排除できる方法はありません。この点はフォロワー購入でアカウントは凍結されるかで別途扱っています。